登山中に道に迷ったり、怪我をして動けなくなったりしたら、頭が真っ白になってしまいますよね。
そんなときこそ、落ち着いて正しい行動を取ることが命を守ることにつながります。
この記事では、実際に山で遭難してしまったときの通報先や伝えるべき情報、そして救助を待つ間に意識したいポイントを、公的機関の情報をもとにまとめました。
いざというときのために、行動前に流れを頭に入れておきましょう。
- 遭難したときの通報先
- 電波が届かないときの対処法
- 通報時に伝えるべき情報
- 救助を待つ間の鉄則
- ヘリコプター救助の実際と費用
遭難したときの通報先
110番と119番どちらでも良い
山で遭難した場合の通報先は、110番(警察)でも119番(消防・救急)でもかまいません。
どちらに連絡しても、情報は共有される仕組みになっています。
「怪我をしているから119番」「道に迷っただけだから110番」と迷う必要はありません。
まずはつながった窓口に、状況をそのまま伝えることが大切です。
電波が届かないときの対処法
山の中では電波が入りにくいエリアも多くあります。
その場で電波が届かない場合は、少し移動して尾根筋や見晴らしの良い場所に出ると、電波が入りやすくなることがあります。
近くに他の登山者がいる場合は、事情を伝えて協力を求めるのも有効です。
複数人で対応することで、通報や状況把握がスムーズになります。
山小屋が近くにある場合は、直接向かって助けを求める方法もあります。
山小屋には無線などの通信手段が備えられていることが多く、スタッフを通じて迅速に警察や消防へ連絡してもらえます。
登山中はできるだけ電池を消耗しないよう、機内モードを活用したり、地図アプリの利用を最小限にしたりする工夫も役立ちます。
予備のモバイルバッテリーは、雨に濡れないよう防水袋に入れておくと安心です。
モバイルバッテリーを携行しておくことも、通報手段を確保するうえで欠かせません。
スマートフォンの電池が切れてしまうと、通報自体ができなくなるため、日頃から充電を意識しておきましょう。
山では、急な天候の変化で体が冷えることがあります。
軽くてかさばらないエマージェンシーシートを、1枚ザックに入れておくと安心です。
\ いざというときの体温確保に /
通報時に伝えるべき情報
現在地・GPS位置情報
通報の際にもっとも重要なのが、現在地の情報です。
スマートフォンのGPS機能を使って、緯度・経度の情報を伝えられると、捜索場所を大きく絞り込むことができます。
地図アプリや登山アプリに表示されている座標をスクリーンショットで残しておき、通報時にそのまま読み上げる方法も有効です。
近くに山小屋や分岐点、目印になる標識があれば、その名称も伝えましょう。
人数・怪我の有無・装備状況
現在地に加えて、行動している人数、怪我をしている人がいるかどうか、歩けるかどうかも伝える必要があります。
あわせて、テントや食料、防寒具といった手持ちの装備、携帯電話の電池残量も伝えておくと、救助隊が対応方針を判断しやすくなります。
登山届を提出していた場合は、その旨も伝えましょう。
あらかじめ登録されているルートや日程の情報と照らし合わせることで、状況確認がスムーズになります。
怪我をしている場合は、痛みの部位や出血の有無、意識の状態なども具体的に伝えると、救助隊が必要な医療用品を準備しやすくなります。
持病がある場合や、服用している薬があれば、あわせて伝えておきましょう。
救助を待つあいだに暗くなることもあります。
両手が使えるヘッドライトは、登山の必需品のひとつです。
\ 暗くなったときの備えに /
救助を待つ間の鉄則
その場から動かないのが基本
通報後は、できるだけその場から動かないことが基本原則です。
自力で下山しようと動き回ると、かえって捜索範囲が広がり、発見が遅れる原因になります。
携帯電話の電波が届く場所であれば、その場にとどまるほうが、地上からの救助隊やヘリコプターに発見されやすくなります。
やむを得ず移動する場合は、目印を残しながら最小限の移動にとどめましょう。
沢沿いや崖の近くなど、危険な場所にいる場合は、安全な場所まで最小限だけ移動してから待機します。
移動した場合は、通報した相手にも新しい現在地を伝え直すことを忘れないようにしましょう。
体温低下・二次遭難を防ぐ
救助を待つ間は、体温の低下を防ぐことが最優先です。
雨風をしのげる場所に移動し、防寒着やツェルト(簡易テント)があれば体に巻いて、体温を保つようにしましょう。
夏場でも山の夜間は気温が大きく下がります。低体温症は命に関わるため、濡れた衣類は早めに着替えましょう。
笛やヘッドライトがあれば、定期的に音を鳴らしたり光を灯したりして、自分の居場所を知らせることも有効です。
体力を温存するため、大声を出し続けるのではなく、救助隊が近づいてきたタイミングで知らせるようにしましょう。
非常食や水分は、少しずつ計画的に摂取し、体力を維持することも大切です。
地面に直接座ると体温が奪われやすいため、ザックや落ち葉などを下に敷いて、体が冷えるのを防ぎましょう。
ヘリコプター救助の実際と費用
天候や地形で出動できない場合も
一刻を争う場合、警察や消防のヘリコプターによる捜索・救助が行われることがあります。
ただし、悪天候や急峻な地形など、条件によってはヘリコプターが出動できない場合もあります。
その場合は、地上からの救助隊が向かうことになり、発見までに時間がかかることもあります。
だからこそ、通報後にその場で待機し、体力を温存しておくことが重要になります。
ヘリコプターが近づいてきた場合は、手を大きく振ったり、目立つ色の衣類を掲げたりして、自分の位置を知らせましょう。
ただし、ヘリコプターの風圧は強いため、荷物が飛ばされないよう注意が必要です。
費用負担について
警察や消防による救助自体に費用はかかりませんが、民間の救助隊やヘリコプターを利用した場合は、実費で高額な費用が発生することがあります。
山岳保険に加入しておくと、こうした費用の一部をカバーできる場合があります。
県の防災ヘリコプターや消防・警察のヘリコプターは公的な救助のため、基本的に費用はかかりません。
ただし、天候や地形の条件によっては、公的なヘリコプターでは対応できず、民間のヘリコプター会社に依頼せざるを得ないケースもあります。
そうした場合の費用は数十万円から百万円を超えることもあるとされています。
山岳保険は月々数百円程度から加入できるプランもあるため、登山を続ける人は加入を検討しておくと安心です。
登山届の提出方法や、遭難の主な原因については、別の記事で詳しく解説しています。あわせて確認しておくと安心です。
通報や連絡に使うスマホの電池は、山ではとても大切です。
予備のモバイルバッテリーを持っていくと安心ですよ。
\ 山での充電切れ対策に /
まとめ
山で遭難してしまったときの通報先は110番・119番のどちらでも良く、大切なのは現在地や状況を落ち着いて正確に伝えることです。
通報後はむやみに動かず、体温を保ちながら救助を待つことが基本になります。
いざというときに慌てず行動できるよう、通報先や伝えるべき情報を、登山前に一度確認しておいてくださいね。
登山届の提出や山岳保険への加入とあわせて備えておくことで、万が一のときも落ち着いて対応できます。
