毎年この時期になると、最低賃金がいくらになるのか気になりますよね。
今年は例年以上に注目度が高まっています。物価高が続くなか、自分の時給がどう変わるのか、家計に関わる大切な話題です。パートやアルバイトで働く人にとっては、収入に直結する重要な情報でもあります。
この記事では、2026年度の最低賃金改定について、厚生労働省の審議会の情報をもとに、引き上げ額の見込みや決定までのスケジュールをまとめました。
労使の議論がどのように進んでいるのかも、あわせて確認しておきましょう。
- 最低賃金2026は1100円台後半で調整
- 決定までのスケジュール
- 労使の意見の隔たり
- 最低賃金はどう決まる仕組みか
最低賃金2026は1100円台後半で調整
現在の全国平均は1121円
2025年度に改定された現在の最低賃金は、全国加重平均で1121円となっています。
前年からは66円、率にして6.3%の引き上げとなり、過去最大水準の上昇でした。都道府県別に見ると、最も高い東京都は1226円で、2025年10月3日から適用されています。
2026年度は、この1121円からさらに引き上げられ、1100円台後半で調整が進められています。
共同通信の報道によると、物価高を配慮した引き上げになる見通しです。
最低賃金は、パートやアルバイトで働く人だけでなく、正社員を含むすべての労働者に適用される賃金の下限です。
雇用形態にかかわらず、この金額を下回る時給で働かせることは法律で禁止されています。違反した事業主には罰則が科される可能性もあり、企業側にとっても遵守が求められる重要なルールです。
物価高を踏まえた引き上げへ
ここ数年、食料品やエネルギー価格の上昇が続いており、最低賃金の議論でも物価上昇を反映させる方針が重視されています。
実際の生活費に見合った賃金水準を確保する観点から、引き上げが検討されています。
政府はかねてより、最低賃金の全国加重平均を将来的に1500円まで引き上げる目標を掲げてきました。
今回の改定も、その目標に向けた段階的な引き上げの一環として位置づけられています。目標達成の時期についても、今後の審議で継続的に議論される見通しです。
決定までのスケジュール
7月下旬に目安答申
最低賃金の改定は、まず厚生労働省の中央最低賃金審議会が、7月下旬に引き上げの目安額を答申する流れで進みます。
今年度は7月23日の小委員会でも労使の隔たりが埋まらず、結論が持ち越しになるという異例の展開になりました。
結論が持ち越しになるのは近年でも珍しく、月内決着を目指してさらに会合を重ねる展開になっています。
それだけ労使双方にとって、今回の改定が重要な意味を持っていることがうかがえます。今後の会合でどのような結論に落ち着くのか、多くの働く人と経営者が注目しています。
目安額はあくまで全国的な指針であり、実際の金額は各都道府県が最終的に決定します。
そのため、目安が出た段階ではまだ確定額ではありません。ニュースで報じられる金額は、全国的な指針だと覚えておきましょう。
8月に都道府県ごとの審議会、10月から適用
中央の目安をもとに、8月ごろ各都道府県の地方最低賃金審議会で具体的な金額が決定されます。
その後、10月から順次、新しい最低賃金が適用される見込みです。
都道府県によって審議会の開催時期や決定額に差があるため、実際の適用日は地域ごとに確認する必要があります。
自分の勤務先がある都道府県の発表を、公式サイトなどでチェックしておきましょう。複数の都道府県にまたがって働いている人は、それぞれの適用日にも注意が必要です。
労使の意見の隔たり
労働者側は75円増を要求
労働者側の委員は、物価上昇に見合った生活水準を確保するため、75円の引き上げを求めているとされています。
実質賃金の目減りを防ぐには、大幅な引き上げが必要だというのが労働者側の立場です。
労働組合の全国組織からは、生計費に基づいて全国一律1700円以上を求める意見書も出されています。
物価上昇が続くなかで、賃金の底上げを求める声は年々強まっている状況です。単身世帯の生計費をもとにした試算では、現状の水準では生活が厳しいという指摘も出されており、今後の審議の焦点となりそうです。
経営者側の懸念
一方、経営者側の委員からは、急激な引き上げが中小企業の経営を圧迫しかねないという懸念の声も上がっています。
人件費の増加分を価格転嫁できない企業にとっては、大きな負担になる可能性があります。特に、飲食業や小売業などパート・アルバイトの比率が高い業種では、影響がより大きくなるとみられています。
最終的な引き上げ額は、労使双方の意見を踏まえたうえで慎重に決定されます。報道されている数字はあくまで目安・要求額であり、確定額ではない点に注意しましょう。
最低賃金はどう決まる仕組みか
中央最低賃金審議会とランク制度
最低賃金は、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が、労働者の生計費、賃金水準、企業の賃金支払い能力を総合的に考慮して目安を決めています。
都道府県は経済状況に応じてA・B・Cの3つのランクに分類され、それぞれのランクごとに引き上げの目安額が示されます。
このランク制度は、以前はA〜Dの4段階でしたが、地域間の格差縮小を目的に3段階へ見直された経緯があります。
ランクによって引き上げ幅の目安が異なるため、同じ年でも都道府県ごとに改定額に差が出ます。一般的に、都市部を含むランクほど最低賃金の水準が高くなる傾向があります。
地方審議会での最終決定
中央審議会が示した目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会が、地域の実情を踏まえて最終的な金額を決定します。
そのため、中央の目安どおりに決まるとは限らず、地域独自の判断が加わることもあります。
決定された金額は、都道府県労働局長が改定を告示したうえで、正式に適用されます。
自分の勤務先の時給が最低賃金を下回っていないか、適用日以降に確認しておくと安心です。もし下回っていた場合は、労働基準監督署や労働局に相談することもできます。
まとめ
2026年度の最低賃金は、全国平均で1100円台後半への引き上げが調整されており、10月から順次適用される見込みです。
ただし、労使の意見の隔たりが大きく、7月下旬時点でも目安額の決定が持ち越されるなど、異例の展開が続いています。労働者側は75円の引き上げを求める一方、経営者側は急激な負担増を懸念しており、議論はなお続いています。
実際の金額は都道府県ごとに決まるため、8月以降に発表される地域ごとの正式な改定額を確認しておきましょう。
パートやアルバイトとして働いている人はもちろん、経営者にとっても人件費に直結する重要なニュースです。
今後の続報にも注目しておきたいところです。決定次第、各都道府県の労働局から正式に発表されます。
